【新築】グリーン住宅ポイントの対象となる条件は?

2021/6/2

【新築】グリーン住宅ポイントの対象となる条件は?

家の購入・リフォームを検討している方にさまざまなメリットがあるグリーン住宅ポイント制度。
今回は、「新築」の住居を購入する際、どのような住宅が対象になるのか、ポイントの考え方と共にお伝えします。

目次

    グリーン住宅ポイント制度における「新築」の条件は?

    まず、そもそも「新築」とはどういう意味でしょうか。

    事務局によると、グリーン住宅ポイント制度における新築とは

    「契約時に建築1年以内、第三者が未入居の住宅」

    と定義されています。

    また、

    • 購入者が自ら居住すること
    • 一定の省エネ性能を満たすこと
    • (分譲住宅の場合)売主が宅地建物取引業免許を有していること

    が条件とされています。

    これに当てはまれば、注文住宅か、分譲住宅かは問われません。

    もちろん、戸建てや集合住宅の区別もありません。

    「一定の省エネ性能」高い省エネ性能を有する住宅

    「一定の省エネ性能」①高い省エネ性能を有する住宅
    ここで気になるのは「一定の省エネ性能」。
    「高い省エネ性能」、もしくは「一定の省エネ性能」どちらかの条件を満たす必要があります。
    「高い」「一定」とはそれぞれどのような条件なのか、確認していきましょう。

    「高い省エネ性能を有する住宅」とは

    「高い省エネ性能を有する住宅」とは、4種類の認定のうち、いずれかの認定を取得している必要があります。
    認定項目について確認しましょう。

    認定長期優良住宅

    長期にわたり良好な状態で使用するため、以下の等級や基準に準じた優良な住宅のことをさします。

    具体的な条件は以下の通りです。

    認定長期優良住宅の条件
    • 断熱等性能等級4
    • 劣化対策等級3
    • 高齢者等配慮対策等級3(※)
    • 耐震等級2、または条件付きの等級1
    • 維持管理対策等級3(専用配管)
    • 同上(共用配管)(※)
    • 更新対策等級3(共用排水管)(※)
    • 一戸建て:75㎡以上
    • マンション:55㎡以上
    (※)マンションのみ適用

    各項目の基準を達成しているもののみを「認定長期優良住宅」と称することができます。

    認定低酸素建築物

    二酸化炭素の排出抑制のため、評価項目に対する配慮がされていると認定を受けた住宅のことを指します。
    具体的な条件は以下の通りです。

    認定低炭素建築物の条件
    • 省エネ法の省エネ基準と比較して、一次エネルギー消費量を10%以上抑えられること(必須)
    • 節水対策を行っている
    • ヒートアイランド対策を実施している
    • 木材の利用
    • HEMSの導入

    これらを実施している住宅を「認定低炭素建築物」として称することができます。

    性能向上計画認定住宅

    外皮の熱性能が一定以上であることや、認定低炭素建築物同様に一次エネルギーの消費量を省エネ法の基準よりも10%以上抑えられている住宅のことを指します。
    認定低炭素建築物は建築区域に制限がありますが、性能向上計画認定住宅はそうした制限は特にありません。

    また、低炭素化対策(節水など)も条件には含まれていないので、認定低炭素建築物よりもより対象範囲が広がったものと考えればよいでしょう。

    ZEH

    ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、通称ゼッチは、家のエネルギー収支がゼロ以下になる住宅のことを指します。
    エネルギー収支をゼロにするためには、省エネはもちろん、住まいで自らエネルギーを作り出す仕組みも必要です。

    具体的な条件は以下の通りです。

    ZEHの条件
    • 外皮基準が一定数値を満たしていること
    • 基準一時エネルギー消費量から20%以上削減されていること
    • 再生可能エネルギーを導入していること(容量不問)
    • 再生可能エネルギーを加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上削減されていること

    これらを満たし、認定機関に認められた住宅のことを指します。

    「一定の省エネ性能を有する住宅」とは

    一方、「一定の省エネ性能を有する住宅」とは、以下のうち2つの条件を満たす必要があります。

    一定の省エネ性能を有する住宅の条件
    • 日本住宅性能表示基準で定める断熱性能等級4
    • 一次エネルギー消費量等級4以上

    ※ただし、「断熱性能等級4」を満たさない住宅であっても、以下の場合は対象となります。
    ・「建築物省エネ法」に基づく住宅の外皮性能の基準を満たす
    ・同・一次エネルギー消費量の基準に適合する

    「高い省エネ性能を有する住宅」「一定の省エネ性能を有する住宅」のいずれも、各基準を満たしていることを証明する書類の提出が必須です。

    対象条件の違いでポイントはどう変わる?

    「新築」と定義される住宅の条件がどのようなものかがわかりました。

    条件が「いずれか」と定義されているものについては、どちらの条件で申請するかで獲得できるポイント数が異なります。

    条件によってもらえるポイント数も確認しておきましょう。

    条件によってもらえるポイント数の差

    (表)

    基本ポイント ポイント加算 最大発行ポイント
    高い省エネ性能を有する住宅 40万pt 60万pt 100万pt
    一定の省エネ性能を有する住宅 30万pt 30万pt 60万pt

    「高い省エネ性能を有する住宅」と「一定の省エネ性能を有する住宅」では、基本ポイントに10万ポイントの差があります。

    そこからさらに「ポイント加算」を利用する場合、加算されるポイントに最大で2倍の差が出てきます。

     

    ポイント加算とは

    以下の条件いずれかに当てはまる方は、ポイント加算を受けることができます。

    • 「東京圏」対象地域→それ以外の地域へ移住※
    • 多子世帯(申請時に18歳未満の子3人以上と同居している)
    • 対象住宅が三世代同居仕様である
      (キッチン、浴室、トイレ、玄関のうちいずれか2つ以上が複数個所ある住宅)
    • 災害リスクが高い地域→それ以外の地域へ移住
    なお、これらの条件で申請を行う場合には事前のオンライン相談が必要です。

    まとめ

    新築住宅がグリーン住宅ポイント制度の対象になる条件を確認しました。

    いずれの場合も、条件を満たしていることを証明するために書類が必要になります。

    申請を考えている場合は、あらかじめ整えておくなどの準備をしておくと良いでしょう。